レポート 

大阪関西万博の建築デザイン

2025年4月13日に開幕した「大阪関西万博」は10月13日に閉幕しました。
終盤に向けて、ラストスパートをかけるように、大きく盛り上がり、大勢の人が訪れ、黒字ラインに到達できたようで、何よりです。

パビリオンに1つも入れず、行って帰ってきたという声も多く聞きましたが、
大阪関西万博は中に入らなくても、その建物の外観を見るだけでもすごさを感じられるイベントだったと思います。
国内外の著名な建築家が携わった建築物や、最新の技術を採用した外観が一堂に見られるのでは貴重な機会でした。

全部ではありませんが、ここでパビリオンの建築物の外観をまとめてご紹介したいと思います。

アゼルバイジャンのパビリオン

組子のような模様、白く輝く「7つのアーチ」が印象的な外観です。
日暮れになり点灯されるとさらに美しい。

アゼルバイジャンのパビリオン

アゼルバイジャンのパビリオン

タイのパビリオン

大きな切妻屋根のように見えますが、半分は鏡に映っているもの。ライトアップされるとゾウさんも浮かび上がります。

タイのパビリオン

タイのパビリオン

ハンガリーのパビリオン

表面を覆っているのは、35,000枚以上もの短冊状のテント生地です。木々の葉のゆらぎを表しているそうです。
その奥の建物は、干し草の山をイメージしています。

ハンガリーのパビリオン

中国のパビリオン

古代の書物「竹簡」をモチーフにした外観で、外壁には5つの書体で119の漢詩が書かれています。

中国のパビリオン

中国のパビリオン

コロンビアのパビリオン

「百年の孤独」に出てくる「氷の家」がモチーフ。

コロンビアのパビリオン

クウェートのパビリオン

大きく広がった翼を模した外観。翼には歓迎(ようこそ)の意味が込められているそうです。

クウェートのパビリオン

ブラジルのパビリオン

生命の多様性、死と再生の物語をイメージし、エントランスに日本語で「我々の存在の真意とは。」と書かれてあります。

ブラジルのパビリオン

インドネシアのパビリオン

船の形をした外観。中は本物の植物がいっぱいでよかったです。
今問題になっている高松市にある丹下健三の旧県立体育館も舟形をモチーフにした建物でしたね。

インドネシアのパビリオン

カタールのパビリオン

隈研吾建築都市設計事務所が手がけた建物。
カタールのダウ船と呼ばれる伝統的な帆船と日本の伝統的な指物の技術にインスピレーションを受けたデザイン。

カタールのパビリオン

PASONAのパビリオン

アンモナイトの螺旋形を採用したデザイン。

PASONAのパビリオン

よしもと waraii myraii館

よしもと waraii myraii館
丘の上に浮かぶ笑顔の球体『タマー』

よしもと waraii myraii館

ポルトガルのパビリオン

建築家・隈研吾氏が設計を手掛け、外壁に無数のロープが吊り下げられいるデザイン。

ポルトガルのパビリオン

スイスのパビリオン

環境負荷を最小限に抑えるように、球体をつないだ軽量膜構造建築になっています。

スイスのパビリオン

ポーランドのパビリオン

ポーランドの創造性と革新性の波が広がることを表現した、木材を基調した外観。

ポーランドのパビリオン

アラブ首長国連邦のパビリオン

外観はガラス張りで、内部には高さ最大16メートルのナツメヤシの柱が90本立ち並び、伝統的な建築様式「アリーシュ」を再解釈した空間になっています。

アラブ首長国連邦のパビリオン

オマーンのパビリオン

不思議な形の真っ赤な建物。近くで全体像を写すのが難しい。

オマーンのパビリオン

河瀨直美のシグネチャーパビリオン

奈良県と京都府の2つの廃校舎を移築し、3棟のパビリオン建築として生まれ変わらせています。

河瀨直美のシグネチャーパビリオン

カナダのパビリオン

春の訪れと共に凍っていた川の水が溶ける風景をイメージした外観。

カナダのパビリオン

イギリスのパビリオン

積み木からインスピレーションを得たデザイン。

イギリスのパビリオン

バーレーン王国のパビリオン

船の構造をモチーフにし、内外が一体化し木材で組まれた建物。リナ・ゴットメ氏設計。

バーレーン王国のパビリオン

マレーシアのパビリオン

約5,000本の竹をリボンのように編み上げた、隈研吾さんのデザイン。風に揺れる布のようにしなやかな曲線を描いて、夜は伝統織物「ソンケット」のように輝きます。

マレーシアのパビリオン

トルコのパビリオン

トルコの地中海沿岸と黒海沿岸を象徴する波模様を描いたファサードが特徴的な外観。

トルコのパビリオン

ドイツのパビリオン

「わ!」には、循環の「環(わ)」、調和の「和(わ)」、 感嘆の「わ!」の3つの意味が込められているそうです。

ドイツのパビリオン

シグネチャーパビリオン「null2」

落合陽一プロデュースのシグネチャーパビリオン「null2」(ヌルヌル)
建設費用は数十億円
引っ越しの費用をクラウドファンディングで募集しました。

シグネチャーパビリオン「null2」

モナコのパビリオン

赤いクリスタルがぶら下がって、かわいい。

モナコのパビリオン

シグネチャーパビリオン「EARTH MART」

小山薫堂プロデュース。全国地域から集めた茅を使い、職人たちの手によって作られた茅葺屋根。

シグネチャーパビリオン「EARTH MART」

インドのパビリオン

蓮の花と菩提樹をイメージしています。

インドのパビリオン

セルビアのパビリオン

コンセプトは「浮かぶ森」
3000株ほどの植物が植えられて、パビリオンの外観に生きた植物を使っているのはセルビアだけだそうです。

セルビアのパビリオン

韓国のパビリオン

横27メートル、縦10メートルの巨大ディスプレーを設置。

韓国のパビリオン

カンボジアのパビリオン

約30寺で構成されたコー・ケー遺跡をモチーフにしています。

カンボジアのパビリオン

GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION

屋外に展示する約17mの実物大ガンダム像は、宇宙、そして未来へと手を差し伸べる新たな姿。

GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION

ORA外食パビリオン 宴~UTAGE~

ORA外食パビリオン 宴~UTAGE~

大屋根リング

パビリオンじゃないけど、トリはこれでしょう。藤本壮介氏のデザイン。基本設計は、東畑建築事務所と梓設計の共同事業体。

大屋根リング

斬新な外観を支える日本の技術

約半年で解体してしまう万博の建物には、軽くて解体しやすい膜材が多く使われています。
特に、大阪市にある太陽工業は、今回の万博で20施設以上を設計から施工までを手掛けました。太陽工業はこの領域で独走しており、上海、ミラノ、ドバイなどの海外の万博にも参加しました。膜材は薄くて軽く、工期が短縮できるというメリットがあります。
ここで紹介したnull2 も太陽工業が外観を手掛け、世界初の鏡面状のミラー膜を採用しています。

もっと詳しくはこちら
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/03172/041700004/

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