明日香村
奈良県の東南部に位置する奈良県明日香村。どこを切り取っても絵画のようなのどかな風景が広がるこの場所は、かつて日本の中心だった1300年以上前の飛鳥時代の足跡を今に伝えています。
効率よく散策するには、自転車が都合良く、レンタサイクルのサービスが充実しています。
今回はレンタサイクルでなく、レンタカーを使い、駐車できる場所を拠点にして徒歩で回ることにしました。
明日香村を代表する史跡から文化館まで、実際に巡ったスポットをご紹介します。
高松塚古墳
有名な極彩色壁画が出土した古墳

高松塚古墳は、7〜8世紀頃に造られたと考えられている古墳で、歴史の教科書でも印象的に掲載されている古代壁画のひとつが見つかった場所です。
高松塚古墳に隣接する高松塚壁画館に駐車して、徒歩で1分のところに高松塚古墳があります。
1972年に石室が発見されたとき、内部の壁には、
四神(青龍・白虎・朱雀・玄武)、天文図、人物群像
が描かれていました。
特に有名なのが、飛鳥美人と呼ばれる女性の壁画です。
色彩が残った状態で発見されたことは、日本の考古学史でも大きな出来事でした。

発見当初の姿を、越前和紙に岩絵具で忠実に模写したものです。
現在は保存のため石室は公開されていませんが、高松塚壁画館で再現した形で「飛鳥の秘宝」を知ることができます。
国宝・高松塚古墳の壁画(飛鳥美人)を精密に再現した模写や、石室(石槨)の模型、副葬品のレプリカを展示しています。

高松塚古墳壁画の展開図の全体はこちらでご覧いただけます。
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/takamatsu_kitora/takamatsu_gaiyo/tenkaizu.html
ここに登場する「青龍」「白虎」「朱雀」「玄武」は中国神話に由来する四神で、東・西・南・北の四方を守護するとされています。風水(四神相応)において邪気を払い、繁栄をもたらす聖獣として古くから信仰されています。


太刀の装飾金具や海獣葡萄鏡など、古墳から出土した貴重な品々も展示されています。
所在地: 奈良県高市郡明日香村大字平田439
アクセス:近鉄飛鳥駅 より徒歩15分、駅のレンタルサイクルで約5分
開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:12月29日~1月3日、4・7・11・2月の第2月曜日(祝日の場合は翌日)
キトラ古墳
古代人の宇宙観を感じられる古墳
キトラ古墳は、1983年に国内2例目の壁画古墳として発見され、現存する世界最古の天文図や四神(青龍・白虎・朱雀・玄武)、十二支像などの極彩色壁画が描かれた国の特別史跡です。藤原京の南に広がる古代の皇族・貴族などの墓域に所在する小さな円墳で、7世紀末~8世紀初頭頃に造られたと考えられます。
キトラ古墳に併設されている「キトラ古墳壁画体験館 四神の館」に駐車して訪れました。


立ち入ることはできませんが、外形がわかる模型が置いてあります。
「キトラ古墳壁画体験館 四神の館」はキトラ古墳壁画の保存・公開施設と展示・体験施設が一体となった無料の体験型学習施設です。


4面マルチ高精細映像でキトラ古墳の壁画の世界に浸れます。



この古墳の壁には、四神、十二支、天文図が描かれていました。
特に注目されているのは、現存する日本最古級の天文図です。
古代の人々が宇宙や星をどのように理解していたのかを知ることができます。
所在地: 奈良県高市郡明日香村大字阿部山67
アクセス:近鉄壺阪山駅から徒歩12分、近鉄飛鳥駅から徒歩22分
開館時間:9:30~17:00 (12月~2月は9:30~16:30)
休館日:12月29日~1月3日 4、7、11、2月の第2月曜日(祝日の場合は翌日)
石舞台古墳
明日香村を代表する遺跡

石舞台古墳は、盛土が失われ、巨大な石を組み上げて作られた横穴式石室が露出したものです。
使われている石は約30個。総重量は2300トン以上とも言われています。
名前の「石舞台」は、石の舞台のように見えることから後世につけられたものです。
この古墳は、飛鳥時代の有力豪族・蘇我馬子の墓ではないかと考えられています。


石室の内部に入ることもでき、古代の巨大建造物を体感できます。

石舞台古墳のそばにあるお店。ここで昼食の予定をしていましたが、観光客の多さにお店のキャパシティが追い付いていません。
この店の道を挟んだ向かいにもレストランがありましたが、長蛇の列です。昼食難民があふれているようでした。
結局諦めて、離れたコンビニで食料を調達することに。しかし、そのコンビニでもおにぎりがラスト3個になっていて、なんとかありつけました。食事処の絶対数が足りないようです。
いずれ改善されるかもしれませんが、しばらくはお弁当持参が賢明かもしれません。
酒船石遺跡(さかふねいしいせき)
不思議な石造がある謎の遺跡
丘陵全体及び亀形石造物のある谷部を含む一帯が酒船石遺跡です。
万葉文化館の駐車場に車をとめて向かいました。
酒船石

7世紀の巨大な石造物で、石英閃緑岩の表面に円形の凹みと溝が彫られた不思議な史跡です。名前の通り酒の醸造場説のほか、油絞り、祭祀用の水槽など様々な説があります。
亀形石造物


花崗岩で作られており、斉明天皇の時代に造られたとされています。長さ2.3メートル、幅約2メートルのユーモラスな亀の姿の石造物です。
所在地:奈良県高市郡明日香村岡
アクセス:近鉄「橿原神宮前」駅東口または「飛鳥」駅より奈良交通明日香周遊バス乗車。「万葉文化館西口」下車10分。
開場時間:(亀形石造物)8:30~17:00(受付16:45)
奈良県立万葉文化館
万葉の世界を体験
明日香村を訪れたら、ぜひ立ち寄りたいのが万葉文化館です。
ここでは、日本最古の和歌集、万葉集の世界を紹介しています。
館内では、万葉歌人の紹介、万葉集の歴史、映像展示などがあり、日本の古代文学を分かりやすく体験できます。



所在地:奈良県高市郡明日香村飛鳥10
アクセス:バス停(万葉文化館/奈良交通)徒歩1分
開館時間:10:00~17:30(入館は17:00まで)
休館日:毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日の平日)、年末年始、展示替日
明日香村の郷土料理
飛鳥鍋

※写真はイメージです。
飛鳥(あすか)鍋は、奈良県、特に飛鳥地方(明日香村・橿原市など)に伝わる歴史ある郷土料理で、鶏ガラの出汁と牛乳をベースにした、まろやかなコクのある鍋料理です。鶏肉や白菜、ごぼう、きのこ類などの具材を煮込み、すき焼きのように溶き卵につけて食べることもあります。
飛鳥時代に、唐(中国)から渡来した僧侶が、寒さをしのぐためにヤギの乳で鍋を作ったのが始まりとされています。当時は貴族の料理でした。

明日香村の魅力は、遺跡だけではありません。
のどかな田園風景、古代から続く地形、歴史を感じる小道。これらが一体となり、日本の原風景のような景観を作っています。
今回は自動車で回りましたが、それらを十分に感じるには、やはり自転車が良いのかもしれません。

