八重垣神社の鳥居ピックアップ 歴史建造物 

≪出雲国の神社≫ 八重垣神社

出雲国とは

出雲国は現在の島根県の一部で、県の北東部にあたります。
島根県は旧国名で出雲・石見・隠岐の三国から成りたっていて、そのうちの出雲国は出雲神話の舞台となった地です。

その出雲国にある日本神話の神社の一つに八重垣神社があります。

八重垣神社

八重垣神社は、島根県松江市の中心から南方の山沿いに位置しています。
有名な神話の「大蛇退治」に登場するスサノオノミコト(素盞嗚尊/須佐之男命)とクシイナダヒメ(稲田姫命/奇稲田姫) の夫婦が主祭神で、そのことから縁結びのご利益があります。

八重垣神社

スサノオノミコトとクシイナダヒメの神話「大蛇退治」

スサノオノミコトが出雲の斐伊川の川上にやってきた時、ひとりの美しい娘と年老いた両親が泣いていました。娘の名はクシイナダヒメ、両親はアシナヅチノミコト(足名槌命)、テナヅチノミコト(手名槌命)といいました。
スサノオノミコトがその両親に泣いている理由を聞くと、この山奥にヤマタノオロチ(八岐大蛇)という頭が八つもある大蛇がいて、一年に一度この里に出てきては、娘を一人ずつ食べるというのです。そのため八人もいた娘も、今ではクシイナダヒメだけになってしまいました。
事情を聞いたスサノオノミコトは、クシイナダヒメとの結婚を条件に、大蛇を退治することを申し出ました。

大蛇退治
神楽の「大蛇退治」の一場面

家の周囲に垣根をつくり、そこに八つの入口をつけ、酒造りの神様、マツノオミョウジン(松尾明神)が作った強い酒を大きなカメに入れて置きました。大蛇は勢いよく酒をガブガブと飲みはじめました。スサノオノミコトは大蛇にそっと忍びよると、剣で大蛇めがけて切りかかりました。
スサノオノミコトは、反撃する大蛇を次々に切り倒し、退治しました。そしてクシイナダヒメと結婚し仲良くこの地で暮らしました。

スサノオノミコトとクシイナダヒメの張子のお面
スサノオノミコトとクシイナダヒメのお面

奥の院 佐久佐女の森

境内奥にある「佐久佐女の森」は、スサノオノミコトがヤマタノオロチを退治する時、森の大杉の周囲に「八重垣」を造り、クシイナダヒメを隠した場所です。「八重垣」とは、クシイナダヒメをお守りした八つの垣根のことです。
その森にある「鏡の池」はクシイナダヒメが八重垣に隠れた時の飲み水であり、姿見としての役割もあったと伝えられています。クシイナダヒメと深い縁を持つこの池は、恋の縁を占う池として知られています。

鏡の池

池に占い用紙を浮かべ、十円または百円硬貨をそっと乗せ、十五分以内に沈めば縁が早く、三十分以上かかって沈むと縁が遅く、近くで沈むと身近な人、遠くで沈むと遠方の人とご縁があると伝えられています。占い用紙(1枚100円)は神札授与所で入手できます。

鏡の池の占い

山神神社

山神神社

明治時代ごろに八重垣神社の境内に遷された神社で、「山の神さん」と親しまれています。遠方より祈願や御礼に参拝され、手作りの男根等を供える風習は現在でも続いています。

夫婦椿

夫婦椿

夫婦椿とは、根本は2本なのに途中からつながって1本になっている椿のことで、八重垣神社には3本の「夫婦椿」があります。神秘的な木を間近で見ることができ、愛のパワーを感じられそうです。

神楽の姫様

クシイナダヒメは、スサノオノミコトが見初めた絶世の美女の神様で、神楽の中では「姫」といえばクシイナダヒメを指します。
神楽に使われるクシイナダヒメのお面は、白い顔、黒色の長い髪、細い目で表現されます。

クシイナダヒメ(稲田姫命/奇稲田姫)
クシイナダヒメの神楽面

八重垣神社

〒690-0035 島根県松江市佐草町227
八重垣神社の公式HP
車で
JR松江駅より約15分、または山陰道(松江道)松江中央ICより約6分
バスで
JR松江駅4番乗り場より約20分

関連記事