大歩危・小歩危、祖谷
訪日外国人が多く訪れているという、今も最もホットな穴場スポットである大歩危・小歩危、祖谷地域を訪れました。
十数年前に訪れた時には、何もない、ただ山と川の秘境の地だったのが、観光客を迎える体制や自然を楽しむサービスが各所に用意されて、雰囲気が大きく変わり、秘境なのに活気さえ感じる地域となっていました。
大歩危・小歩危とは
徳島県西部、祖谷(いや)地方にある吉野川上流の峡谷で、その名は「大股で歩くと危険、小股で歩いても危険」という意味があるとされています。
その魅力は、深緑色の美しい水をたたえる吉野川と、川沿いにそそり立つ断崖の地形です。
小歩危展望台
小歩危が一望できる高台です。以前までは知る人ぞ知る場所でしたが、近年多くの観光客が訪れるようになり、三好市によって立派な展望台が設置されています。
午前中訪れたこの日にも、海外の方が訪れていました。アメリカからの観光客だそうで、1日1組限定の宿「カジヤ祖谷浪漫亭」のオーナーの案内だそうです。
カジヤ祖谷浪漫亭は昔暮らしを体験できる宿として人気です。田舎を観光で訪れる人々の多くは、このようなグリーン・ツーリズムを求めています。
グリーン・ツーリズム
グリーン・ツーリズムとは、農山漁村の自然や文化に触れ、そこに暮らす人々との交流や、様々な体験などを楽しみながら、ゆっくりと休暇を過ごす活動です。
カジヤ祖谷浪漫亭もグリーン・ツーリズムを提供する宿の一つで、特に海外の方に人気で半年以上先まで予約が埋まっているとのこと。満足度の高さがうかがえます。
宿泊まではしなくても、手軽に体験できるものもたくさん用意されています。
以下のサイトなども参考にしてください。
しこくグリーン・ツーリズム https://shikokugt.info/
展望台の下のあたりには、椅子も設置されていて、人工物が無い状態で小歩危峡を眺めることもできます。
小歩危のつり橋
V字の渓谷にかかる国政橋で、サビも目立つケーブルの橋です。
この橋からは比較的低い位置から手つかずの自然を眺めることができます。
しかし橋は老朽化しているため、今後は渡って良いか確認してからにした方が良さそうです。
大歩危峡観光遊覧船
吉野川を遊覧船に乗って往復4km、約30分間、大歩危峡の渓谷を鑑賞できます。
渓谷を近くで見たいなら、おすすめです。
3月から5月にかけては約100匹のこいのぼりが川を跨いで飾られて、観光客を楽しませています。
祖谷のかずら橋
この橋がある祖谷地域は、屋島の源平合戦に敗れて逃れた平家一族による隠田集落と伝わっていて、近代まで外部との交通が隔絶されていたため独特の生活様式や風俗が残されています。
厳冬の山野で採取したシラクチカズラを編み連ねて作られたかずら橋もその文化のひとつです。
諸説ありますが、平家の落人が追手から逃れるために切り落とせるように作られたとされています。
現在はワイヤーでしっかりと作られ、多くの観光客が渡れるようになっています。
とはいえ、長さ45m、幅2m、水面からの高さ(中央部)14mと、渡るのにスリルがあります。
国の重要有形民俗文化財に指定されています。
祖谷のかずら橋を渡り切った先の近くにあります。高さ約50mのあまり大きくない滝です。
平家落人が京の都をしのび、この滝で琵琶を奏でたことから「琵琶の滝」と名付けられたと伝わっています
滝の向かいあたりから、かずら橋の下を流れる祖谷川に降りることができるようになっています。
ここでも多くの訪日外国人たちが川で水遊びを楽しんでいました。
ひの字渓谷
祖谷渓のV字型に深く切り込んだ渓谷は、ひらがなの「ひ」の字に形が似ていることから通称「ひの字渓谷」と呼ばれています。
この日は川の水が少なく、一部が干上がっていました。
とくに駐車場などはなく、通り過ぎそうな位置にあります。この看板が手掛かりです。
祖谷渓の小便小僧
祖谷街道の一番の難所といわれる場所に、小便小僧のブロンズ像が立っています。
かつて地元の子供たちや旅人が度胸試しをしたという逸話をもとに、徳島県の彫刻家、河崎良行氏が制作し、祖谷街道の開設工事で残った岩に設置されたものです。
ここから谷底までは約200m。高所恐怖症の人は撮影するだけで足がすくみます。
祖谷温泉
日帰りで入れる温泉はいくつかありますが、なんといってもおすすめはケーブルカーで河原近くまで降りていく源泉掛け流しの祖谷温泉の露天風呂です。
温泉といっても湯の温度が38℃くらいしかなく、長時間入ってないと温まりません。
またケーブルカーの乗車代もふくまれるので1900円とお高めです。
山間を走るアンパンマン列車
アンパンマン列車は、JR四国が運行する、列車の外装や内部にアンパンマンとそのなかまたちがデザインされた特別列車です。
新緑の中を走る赤や黄色のアンパンマン列車を見るために鉄道ファンも多く訪れています。
鉄橋近くのホテルからは良く見える位置で写真が撮れます。
三好市の郷土料理
大歩危・小歩危、祖谷は三好市にあります。
この地には山と川の恵みを大切にしてきた素朴な郷土料理がたくさんあります。
でこまわしは、じゃがいも、豆腐、こんにゃくを竹串に刺し、みそだれを付けて炭火で焼いたものです。
でこ(人形)に似ていることからこの名がつきました。
徳島県に伝わる人形の「でこまわし」については
阿波木偶「三番叟まわし」
をご覧ください。
清流でとれた鮎・あめごの焼き魚も美味しいです。
道の駅大歩危
観光情報館と妖怪屋敷と石の博物館の複合施設。 石の博物館には大歩危峡の地質構造や世界の珍しい石を展示しています。
なぜ妖怪の施設があるのかというと、このあたりには妖怪がいたという伝説があるからです。
詳しくは、「日本の妖怪伝説」の記事をご覧ください。