煎茶の淹れ方、茶こぼしの使い方
日本のお茶といえば、世界的には「抹茶」が有名ですが、日本でもっともよく飲まれているお茶の代表は「煎茶」です。
煎茶は、おもてなしや普通の食事の時にもっとも提供されることが多い日本茶です。日本で過ごしていると、煎茶に出会う機会は多いわりに、その魅力を見逃しがちです。正しい淹れ方をすれば、そのおいしさにハマる人も多いのが煎茶なのです。
煎茶とは
抹茶との違いは製法と淹れ方
煎茶も抹茶も、ツバキ科ツバキ属の常緑樹「チャノキ」の葉を原料としています。しかし、その製法が全く異なります。

煎茶は茶葉を蒸して酸化を止めた後、何段階にも分けて茶葉を揉みながら乾燥させて作られます。

一方、抹茶は日光を遮って栽培した茶葉を、揉まずに乾燥した茶葉(碾茶)を茶臼で挽いて微粉状にして作られます。

さらに、お茶の淹れ方も煎茶と抹茶では異なります。抹茶は茶筅で混ぜるのに対し、煎茶は急須を使って淹れます。
煎茶の道具
急須で作り、湯呑で飲む
旅館などでこのようなお茶のセットを置いていることが多いですが、これは「茶櫃(ちゃひつ)」といわれるものです。

炊いたご飯を入れる蓋つきの容器を「お櫃」といいますが、そのお茶版といったところです。
茶櫃の中には、普通、(A)急須、(B)湯呑、(C)茶托、(D)お茶入れ、(E)茶こぼしが入っています。場合によっては、お茶菓子も入っています。
別途、湯沸かしポットなどが用意されているはずですから、お茶を入れる場合は、急須に茶葉を入れ、少し冷ましたお湯を注いで、茶托に載せた湯呑に注ぎます。茶托に載せていれば、熱い湯呑を触らずに運ぶむことができます。
茶こぼしは、二煎目をおいしくいただくために、急須に残ったお茶を棄てる容器として使います。さらには次の新しいお茶を入れる時、使用済みの茶葉を棄てるために使います。
煎茶の淹れ方
煎茶がおいしくなる湯の温度
煎茶は、さわやかな香りと、うま味・甘味・渋味が感じられる飲み物です。その特徴を最大限に味わうための最大のポイントはお湯の温度です。
上級茶で70℃、中級煎茶で80〜90℃くらいが適していると言われています。
まずはよく沸騰させたお湯を、ポットなどの保温できるものに入れて用意しておくと便利です。
1. 湯呑に沸かしたお湯を注ぐ
人数分の湯呑を用意し、それぞれに8分目くらいのお湯を入れます。
これは湯呑を温めると同時に、湯の温度を適温まで冷ますという意味があります。また8分目注ぐことによって、必要な湯量を計れます。

2. 煎茶を急須に入れる
お茶葉の量は、一人前当たり小さじ1杯くらい(2~3g)です。人数分のお茶葉を急須に入れます。

3. 湯呑のお湯を急須に入れる
湯呑の中で適温になったお湯を急須に入れます。急須の蓋をし、揺らさず1~2分待ちます。

4. 湯呑にお茶を注ぐ
それぞれの湯呑にちょろ、ちょろ、と細く少しずつ、何度も往復しながら順番に注ぐ「回し注ぎ」をします。これにより、すべてのお茶の濃さと量が均一になります。
急須のお茶は残さないように注ぎきるか、すぐに茶こぼしに棄てます。二煎目をおいしくいただくためです。

茶こぼしの使い方
穴の開いた蓋が重要な役目
茶こぼしは、本体と穴の開いた蓋でできています。湯呑を温めたお湯を棄てたり、使用済みのお茶葉を棄てたりする容器です。蓋が付いていることで、お茶の跳ね返りを防ぎ、棄てたお茶が見えないようになっています。

急須の茶葉の棄て方
二煎目を飲んだあとは、急須の茶葉を茶こぼしに棄てます。まず急須にお湯を注ぎます。

急須を揺らして側面に張り付いた茶葉をお湯に取り込むようにします。

茶こぼしの蓋を開けて、茶葉をお湯とともに棄てます。

その他、茶こぼしの役目を4コマ漫画でご紹介します。

