日本万国博覧会 EXPO’70
大阪関西万博2025を訪れるにあたり、是非とも行ってみたかったのが、1970年に同じ大阪の地で開催されたもう一つの万博会場です。
5日間の日程のうち、4日目に大阪府吹田市にある「万博記念公園」を訪れました。
1970年の万博の正式名称は「日本万国博覧会」ですが、大阪万博、EXPO’70とも呼ばれます。
77カ国が参加し、好評で入場者は6400万人を超え、当時は万国博覧会史上最多の入場者数を記録しました。
ちなみに大阪関西万博2025の参加国は158か国、今のところ入場者数は、当初の予定に達していないようです。
太陽の塔
EXPO’70のシンボルが国の重要文化財へ
日本万国博覧会といえば、芸術家の岡本太郎がデザインした太陽の塔が象徴的です。今年の大阪関西万博でいえば、ミャクミャク、いや、大屋根リングでしょうか。
太陽の塔は、建物とキャラクターの要素を併せ持つような不思議な存在です。それは、生き物のような姿をした建物だからでしょう。
鉄筋コンクリートや鉄骨で作られた高さ70メートルの塔で、上部と前後の3か所に、過去・現在・未来を表すような3つの顔があり、左右に手を広げたような腕がついています。テーマ館の一部として建造され、万博終了後は取り壊しの危機もありましたが、それを乗り越えて万博記念公園に残されました。
太陽の塔の3つの顔といいましたが、本当は4つあるそうです。塔の内部に隠された「地底の太陽」といい、現在は行方不明だそうです。ミステリアスですね。
この太陽の塔、つい先日、国の重要文化財に指定される見通しになったと発表されました。
太陽の塔の内部
塔の内部は「生命の樹」と呼ばれる生物の進化というテーマに沿った展示物が置かれています。万博終了後は非公開となっていましたが、改修工事を重ねて2018年より予約制で公開されています。料金先払いで、決済後はキャンセルができません。
あの塔の中に何かが展示されていることにずっと興味があって、大阪に行くなら見たいと、早期に予約して見物することができました。


樹の幹や枝には大小さまざまな292体の生物模型群が取り付けられ、アメーバーなどの原生生物からハ虫類、恐竜、そして人類に至るまでの生命の進化の過程を表しています。
螺旋階段をのぼりながら、進化の過程を表現した芸術品を観賞していくようになっています。階段を上がったところからは撮影不可です。カメラなど落としたら、展示物も壊れてしまうからでしょう。
上部に進むと、腕の部分の内部構造も見学できます。きっと重たい腕を支えるのにも高度な建築的技術が必要だったでしょう。かの有名な建築家・丹下健三が関わっています。
壁には岡本太郎による太陽の塔のデッサンや当時の製作過程の資料なども展示してあります。
EXPO’70パビリオン
当時の万博がわかる
日本万国博覧会の記念館で、当時の出展施設であった「鉄鋼館」を利用し、未公開を含む約3000点もの万博の資料を公開しています。2010年開館。
当時の万博会場がイメージできます。


2023年には別館が新たにでき、「黄金の顔」の実物が展示されています。
「黄金の顔」は、大阪万博開催時に太陽の塔の頂部に設置されていたものであり、平成4年の太陽の塔の改修工事を行った際、現在の顔に貼り替えるために取り外された正面部分です。
直径10.6メートルもあり、ド迫力の展示物です。

所在地:大阪府吹田市千里万博公園10-10
アクセス:万博記念公園駅[出口3]徒歩7分
開館時間:10:00~17:00 (入館は16:30まで)
休業:毎週水曜日(水曜日が祝日の場合は直後の平日)/年末年始
※4月1日~5月2日まで・10月・11月は無休
国立民族学博物館
万博並みの展示物
通称「みんぱく」といい、万博記念公園内にあるいろいろな施設のうちの一つですが、海外パビリオンばり、いやそれ以上の展示のすごさで、おすすめの施設です。
文化人類学と民族学をテーマにした世界最大級の民族学博物館で、研究者が世界各地で収集した生活用具や民族衣装など、約34万5千点を所蔵しています。施設の広さと展示物の多さで、一通り見るのに90分はかかります。

所在地:大阪府吹田市千里万博公園10-1 万博記念公園内
アクセス:公園東口駅[出口]徒歩14分
開館時間:10:00~17:00 (入館は16:30まで)
休業:毎週水曜日(水曜日が祝日の場合は直後の平日)/年末年始
55年前の万博を見ると、現在開催中の大阪関西万博2025との違いがはっきりとわかります。
未来世界を見せてもらえる大阪関西万博2025と、タイムスリップしてレトロな雰囲気を味わえるEXPO’70、
両極端でどちらも楽しめる場所です。
太陽の塔や当時のコスチュームなど、全然古さを感じさせない魅力がありました。
共通するのは広すぎる会場スペース。歩き疲れは覚悟して行ってくださいね。