旧矢掛本陣石井家住宅ピックアップ レポート 歴史建造物 郷土料理 

宿場町矢掛

岡山県倉敷の奥座敷と言われる矢掛町は、江戸時代に参勤交代で栄えた宿場町です。
今もその歴史をうかがえる町並みが残っており、知る人ぞ知る観光スポットとなっています。

アクセス

矢掛町へは、JR岡山駅から伯備線に乗り換え、さらに清音駅で私鉄の井原鉄道に乗ります。そこから5駅目の「矢掛」で下車です。
井原鉄道への乗り換えの清音駅では、陸橋を渡って別のホームへ移動します。

井原鉄道

この日乗った井原鉄道の車両は、「アート列車」で岡山県倉敷市にある大原美術館所蔵の芸術作品43作品54点が、列車内外にラッピングされた特別仕様でした。
ミニ美術館に身を置いているようなリッチな気分になります。

井原鉄道のアート列車
井原鉄道のアート列車の車内

アート列車についてはこちら

また別の日に乗った時は「夢やすらぎ号」というレトロなデザインの車両でした。
木製の家具が配置されている和の空間にいるような気分を味わえ、心安らかに旅ができます。

夢やすらぎ号
夢やすらぎ号の車内

夢やすらぎ号についてはこちら

矢掛駅

矢掛駅に着いて駅の待合室に置いてある「矢掛見どころ観光map」をもらい、あらかじめ予約しておいた駅のレンタサイクル(半日300円・ヘルメットつき)を受け取って、観光に出発しました。駅から歩いてもいい距離なのですが、この日はあまり時間が取れなかったので、自転車を使うことにしました。
自動車で来た場合には3時間まで駐車料無料の「おもてなし駐車場」が用意されています。

矢掛見どころ観光map(PDF)

矢掛駅
レンタサイクル

旧矢掛本陣石井家住宅

江戸時代の参勤交代時に、大名の宿泊場所となっていたお屋敷で、国の重要文化財に指定されています。宿場町としての面影を残すこの町の歴史的シンボルとなっています。
約1000坪の広大な屋敷内は、日本建築の粋をこらした佇まいが今も当時の姿で残っています。

矢掛本陣石井家住宅

本陣通り(旧山陽道)

この本陣から続く通りを本陣通りといい、昔の町並みや飲食店、名産品や雑貨を売るショップ等が立ち並び、観光の散策コースとなっています。

本陣通り
本陣通り

一般に山陽筋の町家は平入りが多いのですが、ここでは約半数が妻入りで占められ、特徴ある町並となっています。また京都と同じく、間口が狭くて奥行きが長いウナギの寝床の家になっています。

本陣通りにある寿司屋の「寳来」でランチをとりました。この店も明治前期の古い建造物の中にあります。店内はきれいに改築されています。

寳来
すし定食

すし定食900円です。うどんを少し食べたところで写真を撮りました。

柚べし(柚餅子)

柚べし
「柚べし」は柚子を使った和菓子で、本陣通りにある天保元年創業の佐藤玉雲堂で販売しています。
「柚べし」の種類はいくつかあり、写真の左側のゆべしは餅粉、柚子皮、白味噌、少量の砂糖を混ぜて蒸し、その後練ってつくります。保存食として世に広まったと言われます。
旧矢掛本陣に残された資料から、将軍家に御輿入れするために薩摩から江戸に向う途中に篤姫が矢掛に宿泊された時、矢掛名物のゆべしを100本以上も所望されたことがわかっています。

やかげ郷土美術館

本陣通りから少しだけ外れたところにやかげ郷土美術館があります。宿場町の面影が残る町並と調和した町屋風木造建築で、矢掛町出身の芸術家の作品及び郷土資料の展示しています。
高さ16mの水見やぐらに登ることができ、そこからは歴史のある町並みを眺めることができます。

やかげ郷土美術館

多聞寺

矢掛駅から徒歩10分のところにある、1533年創建の高野山真言宗の寺院です。写真は水を掛けて願をかけると成就するという水掛観音様です。
多聞寺

張子のお面の絵付け体験

矢掛駅から徒歩7分にある矢掛町老人福祉センターでは、お面の絵付け体験ができます。(要予約・平日のみ)
備中神楽の神楽面からデザインされたものや赤鬼・青鬼、桃太郎など数種類のお面から選べます。

絵付け体験

申込先:矢掛町老人福祉センター  詳細を見る

備中神楽は国の重要無形文化財に指定された岡山県の伝統芸能です。
完成したお面が欲しい方は、「やかげ町や交流館」などのお土産屋さんでも求めることができます。

張子の神楽面


岡山での古い町並みといえば倉敷の美観地区が有名ですが、有名なあまりに観光客が多く、週末は混雑しています。もしゆっくりと鑑賞するなら、倉敷の奥座敷と言われる矢掛がおすすめです。

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